動物病院の採用は“構造”で決まる。だから、経営者は選ばなければいけない

いまの動物病院業界の採用は、

ある意味“構造的に”うまくいかないようにできています。

 

 

企業病院は、資本力を背景に

教育プログラムや専門性を前面に打ち出しています。

 

・高度医療が学べる

・専門性が身につく

・CTなど設備が整っている

 

そういったメッセージに触れた学生、ただでさえ不安な学生は

「獣医師は専門性を身につけなければいけない」という前提を持つようになります。

 

 

その前提で就職先選びを進めると、

当然、設備・教育・症例数が揃っている病院が魅力的に映ります。

 

 

結果として、病院は“場所”ではなく

キャリアのための“手段”として選ばれるようになっていきます。

 

こういった状態で個人病院が採用をしようとすると、どうなるか。

 

 

同じ土俵(専門性・教育・設備)で戦うしかない。

でもそこは、資本力の勝負になる。

 

・教育に力を入れれば診療が回らない

・診療に集中すれば教育が追いつかない

・人を採ればコストが重くなる

 

無理をして採用しても、

結局はキャリアのステップアップとして離職が起きる。

 

 

これは院長の能力の問題ではなく、

動物病院業界の構造としてそうなっているということです。

 

 

さらに言えば、仮に専門医療を整えていったとしても、

企業病院が同じことを“より大きく・より速く”やってくる。

 

地方でも、企業のセンター病院が続々と増えている。

 

 

資本力の勝負に入った時点で、

小さな個人病院が優位に立つのは難しいと私は感じます。

 

温かさや人柄、関係性や信頼の蓄積といった資産

では、どうするか。

 

この構造に真正面から乗るのか、

それとも違う軸で立つのか。

 

 

 

個人病院が取りうる選択は、大きく2つしかない

 

 

ひとつは、

企業病院と同じ土俵に立ち続けること。

 

専門性、設備、教育。

それを磨き続けて、資本力の競争の中で戦う。

 

 

もうひとつは、

まったく違う軸で立つこと。

 

 

 

それが、

 

温かさや人柄、

関係性や信頼の蓄積といった価値。

 

 

 

これも綺麗ごとではなく、構造の話です。

 

資本で再現しにくいもの。

スケールしにくいもの。

 

 

だからこそ、個人病院にしかできない。

 

 

 

そしてこの話は、採用だけでは終わりません。

 

 

新患も、単価も、リピートも、

すべて同じ構造の上に乗っています。

 

 

ハウトゥーは確かに重要。

でもそれはあくまで“使い方”でしかありません。

 

 

その前に必要なのは、

 

それを使いこなせる土壌。

人と人との関係性の状態。

 

 

その土壌をつくるものが、温かさであり、安心であり、

ポジティブな感情の循環です。

 

動物のおもしろ動画で何ができる?

例えば、こんな時間をつくる。

 

 

院長やスタッフで、

おもしろ動物の動画を一緒に見る。

 

インスタでも、TikTokでもいい。

 

「この子のここが面白いよね」

「この動き、うちの子もやるよね」

 

そんな会話をするだけ。

 

 

 

もしできれば、

親しい飼い主さんも呼んでみる。

 

 

すると自然と、

 

「うちの子、家ではこんなことするんですよ」

「病院だと見せないんですけどね」

 

そんな話を交わすことになります。

 

 

 

ここには、何の目的もない。

 

教育でもないし、

売上にも直結しない。

 

 

 

でも、このときに流れている空気。

 

笑いがあって、

ちょっとした共感があって、

否定されない安心がある。

 

 

 

これが、すべての土台になります。

 

 

 

診察室の空気感も、本当はこの延長線上にあるはず。

 

どれだけ重い症例でも、

どれだけ厳しい状況でも、

 

この空気感で包み込めるかどうか。

 

 

 

それが、病院の“カラー”になる。

 

 

 

そしてそのカラーは、

 

設備でも、マニュアルでもなく、

そこにいる人がつくるもの。

 

 

だから、ハウトゥーは存在しないです。

 

 

ただ一つあるとすれば、

 

「あ、この感じか」と

体験してもらうこと。

 

 

 

売上や単価は、

この空気の“結果”であって、直接つくりにいくものではないと私は思っています。

 

何を選ぶかは経営者次第

かつての動物病院業界では、

売上や単価を“つくりにいく”ことが機能していた時代もありました。

 

 

需要があり、競争も今ほど激しくなく、

セミナーなどで学ぶ、正しさやハウトゥーを積み上げれば、結果につながった。

 

 

 

採用も同じでした。

 

人は集まりやすく、

辞めてもまた採用できる。

 

言葉を選ばなければ、

入れ替えながら回すこともできてしまった。

 

 

 

でも今は違う。

 

 

同じやり方をしても、

人は来ないし、続かない。

 

 

だからこそ、

 

採用も、売上も、単価も、

すべてはこの空気の“結果”として生まれるものであって、

直接コントロールしにいくものではない、

できるものではないと構造として結果が出ています。

 

 

 

この構造の中で、

 

どちらを選ぶかは、経営者次第です。

 

 

資本の競争に乗るのか。

関係性という資産を育てるのか。

 

 

どちらが正しいかではなく、

どちらを選ぶか。

 

 

ただ一つ言えるのは、

 

後者は、

体験しないとわからない、ということです。

 

当社では、体験するためのイベントの企画・運営もおこなっています。

 

私自身が動物病院のご支援の中で、

たくさん傷つけて、傷ついて、その結果にたどり着いたひとつです。

 

 

今、悩まれている院長先生に伝えたいのは、

今、目の前でおこっている現象は能力の問題ではなくて、業界の構造上の問題です。

 

 

それを受け入れたところから、新たな一歩が始まります。

 

PLAN-Bでは、2014年から10年以上にわたって、動物病院の現場で院長、勤務医の先生方、看護師の方々、トリマーの方々と病院づくり、チームづくりの支援をおこなってきました。

 

売上アップや新規集患などのいわゆるコンサル的な支援をメインとせずに、

「人」と向き合って続けてきた結果、動物病院を「関係性の場」に高めていく「しっぽにふれる会」という取り組みをおこなっています。

 

以下にその取り組みの詳細を紹介させていただきます。

 

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