動物病院の「指示待ち」スタッフを解消する。業務の目的共有と適切な権限移譲の進め方。
一般的なビジネス書や動画では、スタッフの主体性を高めるためには、業務の目的や背景を共有することが重要だと言われます。
単に作業を指示するだけでなく、「なぜそれを行うのか」を理解させること。
そして、適切な権限移譲を行い、スタッフ自身に考えさせる機会を与えること。
それが、指示待ちスタッフからの脱却につながるとされることが多いです。
マイクロマネジメントが「指示待ち人間」を教育する。後出しの修正が現場のやる気を削ぐ真実
忙しい診察の合間、合間。
スタッフの動きが目に入る。
「違う、そうじゃない。もっとこうして」
つい、口を出してしまうと思います。
良かれと思ってした修正指示。
スタッフは無表情で「はい」と答える。
分かってるのか、分かってないのかよく分からない。
そんな繰り返しの毎日。
「うちのスタッフは言われたことしかやらない」
そう嘆く院長…
院長自身が、スタッフを「指示待ち人間」に教育してしまっているんです。
何かあるたびに細かい指示が入る。
後出しの修正、マイクロマネジメント。
スタッフは学習していきます。
「どうせ後から直しが入る。なら、言われた通りにやった方がラクだ」
指示待ちは彼らが現場で身を守るための当然の帰結です。
教科書的な回答では現場が動かない理由。やり方を「手放す」覚悟と結果で判断する仕組み
教科書的な「目的を伝えましょう」という言葉だけでは、現場は1ミリも動きません。
なぜなら、先述した通り、院長が「自分のやり方と違う」という理由で、結局口を出してしまうからです。
スタッフからすれば「結局、院長の正解を探すゲーム」でしかありません。
だからこそ、以下の3ステップを「仕組み」として徹底してください。
1.「なぜ」それを行うのか、目的と背景を伝える
どうしてその点を注意するのか、背景を共有します。判断基準を渡す作業をおこないます。
2.やり方はスタッフに任せて、細かな口出しはしない。
期限や報告方法などルールは明確に伝えます。それ以外の手順は、グッとこらえて見守ります。
(ここが一番苦しいはずです。でも、手放さない限り、彼らは育ちません)
3.プロセスではなく、結果で判断する
自分のやり方と違っても、目的が達成されていれば合格とします。
その際に、俺ならもっとこうできたとか、イヤミを言えば台無しになってしまうので、シンプルに感謝を伝えましょう。
こうしたアプローチをチームの文化にしてください。
指示待ちスタッフは、必ず少なくなっていきます。
指示待ちを脱却する第一歩。診療に関わらない「小さな業務」から委任する
ただ、いきなり命に関わる診療を任せるのは、怖くて当然です。
信頼関係の問題もあります。
だからこそ、まずは「診療に関わらない、分かりやすい業務」から始めてみてください。
掲示物の作成、備品の整理、掃除のやり方。何でもいいです。
診療外の業務を一つ選び、その「目的」だけを伝えてみてください。
「やり方は任せる。結果だけ教えて」と伝えて、最後まで口出しを我慢することです。
それが、スタッフの主体性を育てるための、チームの「リハビリ」になっていきます。
チームの可能性を信じて手放すこと。
その我慢の先に、院長が欲しかった「頼れるチーム」が待っています。

