【組織診断11】役割分担が「重荷」に変わる理由。ジョブディスクリプションより先に決めるべきこと

 

ビジネス書やマネジメント研修では、チームを動かすために「役割の明確化」が必要だと言われます。 

 

「誰がどの業務を担当するかを定義し、ジョブディスクリプションを作成する」 

「責任の所在をはっきりさせることが、効率化の第一歩」

 

ただ、現場は生き物です。 

 

決めた瞬間に新しい仕事が生まれ、結局は「気づいた人がカバーする」という暗黙知に頼らざるを得ない。 

 

ルールを増やせば増やすほど、現場の空気はさらに重くなっていくのが現実です。

 

善意が「搾取」に変わる瞬間。ゴールのない暗闇を走り続けるスタッフの悲鳴

 

誰かが広げた書籍の山

ベテラン看護師がサッと片付ける。

 

本来の担当ではないけれど、手が空いているから。

でも、その顔に笑顔はありません。

 

心の中で「なんで私ばっかり」という独り言が積み重なっていく。

 

スタッフの善意に甘え、滞りなく診察が進んでいることに安心している。

 

でも、その「滞りなさ」の裏側で、スタッフの心は蝕まれていく。

 

ただ忙しさに流される日々。

 

マネジメントの「手段」を捨てる。目的をシンプルに

 

業務分担がなされているか、いないかは問題ではありません。 

 

役割やジョブディスクリプションは、目的を達成するための「単なる手段」です。 手段に振り回されて、皆のエネルギーを浪費するのは本末転倒です。

 

解決策は、手段を捨て、目的(ゴール)を極限までシンプルにすることです。

 

第一に、現場の課題は「ゴールの曖昧さ」です。 

 

「今日、この診察室がどうなっていれば100点か」という着地点をできるだけ言語化してみてください。

 

皆が「今日、これをできた」と確信できる基準がないから、見えないカバーすることで「余計な負担」に感じられるのです。 役割を決める前に、病院としての「今日のゴール」を定義しましょう。

 

 

第二に、ビジネス書的な「手段の目的化」を徹底的に排除します。 

 

立派なマニュアルやチェックリストを作るなら、今のオペレーションを観察してください。 

 

スタッフの善意に頼ってもいい。 

ただし、その善意が「当たり前」にならないように全体が把握する。

 

役割分担は、診察をスムーズにするための「一時の工夫」と割り切ります。 

 

複雑なルールは、ただのノイズです。

 

 

第三に、本質的な関係性への指摘です。 

 

チームがうまくいくのは、ルールをしっかり決めたからではなく、肌感覚で「同じ方向を見ている」時です。 

 

立ち位置を明確にし、シンプルな目的に立ち返ってください。 

目的が浸透すれば、関係性は自然に整い出します。

 

動物病院の仕組みを再起動するために。今日から始める「ゴールの同期」

 

マネジメントで頭でっかちになるのは、もう終わりにしましょう。

 

まずは今日、一番信頼しているスタッフに聞いてみてください。

 

「今日、1日が終わった時に『今日もお疲れさま』とシンプルに言える状態って、どういう状態だと思う?」 

 

役割分担の話はせずに、ただ「ゴール」のイメージを擦り合わせていく。

 

そこがズレていなければ、役割なんて後からついてくるものです。

 

 

もし、スタッフから返ってきた答えが院長の理想と180度違っていたら……。

 

そのズレを擦り合わせていくところから始めてみませんか。

 

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