院長が一番恐れていること

ある院長先生と雑談している時に、こんなことを言われました。

 

「自分が倒れたら、きっとみんな分かってくれるはず」

 

すべてを表している言葉だなととても重みを感じました。

 

 

動物病院の院長は、日々多くの責任を背負っています。

 

 

医療の責任だけではありません。

 

スタッフの生活

借入金の返済

家族の生活

地域の飼い主からの信頼

 

それらを一身に背負いながら、毎日診療に立っています。

 

 

経営の相談というと、多くの場合は売上や利益の話になります。

 

患者数

診療単価

設備投資

採用

 

などです。

 

もちろんそれらは重要です。

 

 

ただ、実際に院長と話をしていると、もう少し違う種類の不安が見えてくることがあります。

 

それは冒頭であったように「自分が止まったとき」の不安です。

 

 

多くの個人動物病院では、院長中心で診療を行っています。

 

医療の判断も、経営の判断も、院長が担っています。

 

 

これは個人病院の強みでもあります。

 

院長の価値観や診療スタイルが、そのまま病院の魅力になるからです。

 

 

ただ同時に、それはリスクでもあります。

 

 

もし院長が数ヶ月働けなくなったらどうなるのか。

 

ケガや病気で診療ができなくなったらどうなるのか。

 

 

そうした状況を想像すると、不安を感じる院長も少なくありません。

 

 

ただ、多くの場合、その話題はあまり表に出てきません。

 

忙しい日常の中で、考える余力がないからです。

 

 

また、スタッフや家族にも話しづらいテーマでもあります。

 

だからこそ、院長の不安は言葉にならないまま、心のどこかに残り続けます。

 

 

経営相談をしていく中で、私たちがよく行うのは、病院の現状を客観的に見直すことです。

 

 

売上の構造

固定費の構造

役割分担

判断の仕組み

 

こうしたものを整理していくと、院長がすべてを背負っている状態から、少しずつ役割を分散させることができる場合が少なくないです。

 

それだけで、院長の心理的な負担が軽くなることもあります。

 

 

動物病院の経営は、その立場にならないと分からない、とても責任の重い仕事です。

 

その中で院長は、いつも最前線に立っています。

 

 

だからこそ、

病院を守るということは、院長自身を守ることでもあると思っています。

 

 

同じ悩みが続いているようでしたら、

一旦立ち止まって、今の病院の状況をぜひ整理していただきたいです。