動物病院経営をシンプルにすること

ダイヤモンドオンラインに、カルビーCEO 松本晃氏の記事が掲載されていました。
記事のタイトルは
「 カルビーを「数学」から「算数」の会社にしたら増収増益になった 」
私が提唱している「捨てる」動物病院経営もまさしくこういうことです。
記事を抜粋すると、
「頭が良すぎると難しいことが理解できる。一方、理解できない人の気持ちが理解できない。しかし私のように大して良くないのは、複雑なことを考えられないから、理解できない人の気持ちが分かる。」
「私は算数は大好きだし、できる方であると思うけれど、数学はあまりできない。一次方程式は分かるが、二次方程式には手こずり、三次方程式になったらお手上げだ。だからこそ会社経営には向いている、と自負している。」
就任以来、6期連続の増収増益を達成されている背景には、並々ならぬ努力や失敗もあることでしょう。
国内の超メジャー企業が不正会計処理でグラつく中、企業の大小の差はあれ、取り組む本質は同じはずです。
複雑に見える事象をシンプルにすること。
そして、集中すること。
日々の診療に追われ、休みの日でも入院管理が気になり、じっくり経営のことを考える時間はなかなかないと思います。
あまり考えずにいられる環境であれば、それに越したことはないと思いますが、
病院経営をしていれば、必ずいろんなトラブルが生じてきますよね。
僕の場合であれば、
院内のトラブルであれば、しょうがないな、という感じで、解決すべきことに着手でき、不安にかられることは少ないんですが、
院外からの噂や新病院の情報などを聞くと、もう一気に不安・恐怖にかられます。
そうなると、いろんなことに手を出し始めます。
業者さんが持ってくる提案も、タイミングよかったりするんですよね。
取り組んでやってる気になって、やってるうちに、不安や恐怖はいつの間にか流れて行って。
で、また半年後ぐらいに大きい院外からの噂が入ってくる、
不安・恐怖にかられる。
新しいことに着手する。
これの無限ループかな、と。
いつもと違う視点を
それでも動物病院経営ができてればいいと思うんです。
ただ、何かのきっかけでこのままではまずいかも、と感じられるシーンってあると思うんです。
その時には、無限ループの中から一歩踏み出していただきたいな、と。
いつも取る行動とは違う行動を取っていただきたい。
胡散臭いかもしれないですし、何か売りつけられるかもしれないですが、コンサルなどに相談してみるとか。
これ僕の持論で、院長先生にも、スタッフさんにもお伝えすることですが、
人を動かすことができるのは、他人ではなく本人だけです。
なかなか考えることなんてないと思いますが、
そもそも、
病院経営の目的って何なのか?
ご自身が何に大事にしたいと思って病院経営をしているのか?
どんな価値観を大切にしてるのか?
数学を算数に、というと経営数字の分析に目を向けてしまうかもしれませんが、
僕は考え方の方に目を向けていただきたいと思っています。
あえて抽象的なことを深く考えていくことで、
本当に大切にしたいことって見えて来ます。
経験上、こういうアクションが起こせるときって、不安や恐怖にかられた時だとも思っています。
なので、
いつもの無限ループではなく、
一歩踏み出して、思考を深めていただきたいな、と。
そうして、本当に大切にしたいことを考えるのではなく、感じていただいて、
シンプルに、必要のないものは削ぎ落としていただきたいです。
やるべきことに集中しましょう。
院長が踏み出される一歩を待っています。